石川県中能登町|留学体験談

こんにちは。私は普段、東京で妻と3人の子どもと暮らしています。下の2人の子どもはまだ小さいので、今回は私と5歳の長男の2人で、石川県中能登町にある「つくし保育園」へ留学してきました。
北陸地方には行ったことがなかったこと、宿泊施設の喜屋がアットホームで好印象だったこと、つくし保育園は規模が大きく施設も充実してそうだと感じたことが決め手となり、こちらを選びました。息子は来年小学生になるので、それまでにたくましくなって欲しい、また、私自身はワーケーションをしてみたいという思いで参加。結果は、どちらも大満足です!
園のこと

登園初日の朝、5時半頃に目を覚まして「わ〜、いよいよ始まるな……」と呟くくらい、息子は緊張していたようです。しかし、16時にお迎えに行くと、「もう帰るの?」と言うほど、園での時間を楽しんでいました。その日は、園の畑で育てている玉ねぎを50個くらい収穫した!と嬉しそうに話してくれました。
園庭は本当に広くて、大きな複合遊具もあります。午前中に一度は園庭で遊ぶ時間をとっているそう。園舎の中には、たくさんの種類のレゴがあって、お友達とおうちや飛行機を作ったと聞きました。作ったレゴの作品は、壊さずに翌日までとっておいてくれるので、すごく喜んでいましたね。近所の保育園にあるプールにも入りました。温水プールなので、一年中入れるそうです。
登園最終日には、先生が息子に何をしたいか聞いてくれて、野菜の収穫をすることに。この日はきゅうりの収穫をしました。そして最後に、園から写真のプレゼントが!A4の台紙に写真を貼り付けた思い出アルバムをいただきました。

園の先生方は、とても優しい方ばかり。
連絡帳のような文面でのやりとりはありませんでしたが、日々の様子は送迎時に先生からお聞きしていて、コミュニケーションには全く困りませんでしたね。お昼の給食は、白米を弁当箱に入れて持参するスタイルなのですが、給食がカレーライスの日だけは白米を持ってこなくてもいいといった、細かいところまで丁寧に教えてくださいました。
宿のこと
宿泊先は、“泊まれる弁当屋”喜屋です。1日1家族限定で、オーナーの辻屋さんのご自宅をゲストハウスとしても開放しており、食事の提供もしています。
滞在中の食事は喜屋で注文し、毎日、辻屋さんと小学生の息子さん2人も一緒に食卓を囲んで食べました。息子は、ものすごい量を食べて、それに普段は食べないような野菜も食べていて驚きでした。
例えば、能登に「水ぶき」という山菜があります。息子はこれは食べないだろう、と思っていましたが、辻屋さんの息子さんたちが「これ美味しいよ」「好き嫌いはないほうがいいよ」と話してくれて、息子も食べたんです。
辻屋さんは本当にお料理上手ですし、地元の本当に美味しい食材や調味料を使っているお陰かなと思います。
長期滞在で、宿のオーナーさんとまるで家族のように過ごせる宿は初めての経験でした。観光で来るだけならば、ラグジュアリーなホテルに泊まり、旅行者として楽しむだけでもいいと思います。しかし、今回の保育園留学では地域に溶け込んで生活することも目的にはありましたので、辻屋さんと過ごすことで、ここでの普通の生活を少しでも味わうことができたのは、とてもいい経験となりました。
暮らしのこと


保育園に行っていない時間は、辻屋さんご家族と一緒に、花火をしたり、ホタルを見に行ったり、クワガタを捕まえたり、地元の方とのお食事に誘っていただいたりと、素晴らしい体験をたくさんすることができました。
息子は、今までホタルやクワガタと触れ合う機会がほとんどありませんでした。ホタルを初めて見た時は大興奮!本当にいるんだね、本当に光ってるんだ、と感動していました。手を前に出すとホタルがとまってくれて。間近に見て、ここが光ってる、と観察していました。クワガタは、たまたま喜屋の家の前にぽんっと飛んできて、喜屋の息子さんたちも驚いていましたね。息子は、もともと虫は苦手な方でしたが、中能登町では自然の中で過ごしているからか、だいぶ触れるようになって、クワガタも手に乗せて触っていました。自然や虫に対して、より興味が出たように感じます。
喜屋の敷地はとても広く、裏庭に納屋や蔵があり、原っぱになっています。16時に保育園から帰ってくると、喜屋の息子さんたちと一緒に散策したり、裏庭で駆け回って過ごしていました。

仕事は、基本的にコワーキングスペースでしていました。私が利用したのは七尾市にあるBANI HOUSE、羽咋市にあるコワーキングベース千里浜。どちらも車で1時間かからずに行くことができます。ただ、保育園に預けられる時間が8時から16時までなので、移動時間も加味すると仕事ができる時間が少し短くなってしまいます。私は、仕事が忙しくない時期でしたので大丈夫でした。
観光で、のと里山里海ミュージアムや雨の宮古墳、のとじま水族館も楽しみました。どれも、とても遠いわけではないので、車での移動もあまり苦ではありません。
中能登町は、山も海も近い。歴史を感じる古墳もあれば、美味しい海の幸もあります。近隣エリアにコワーキングスペースもいくつかありますし、どんな人でも楽しめるのではないでしょうか。
自分のことを自分でやるようになった

今回の留学は、私と息子の2人だけでの滞在です。母親がいないということもあって、息子は自分でお布団を畳んだり、食器を下げたりと、身の回りのことを自分でするように!自分のことは自分でやらなければダメだと考え、実践し、それをしっかり褒めてもらって、「できた」という実感を得られたと思います。
私自身も、オフィスや部屋の中で1人でというのではなく、普段とは異なる環境の中で、リフレッシュしながら仕事をする良さを感じられました。
今度は、家族みんなで中能登町にこれたらいいなと思っています。下の子が大きくなったら、今度はぜひ下の子と保育園留学に参加したいですね!
取材・執筆:田中 亜由美