島根県大田市大森町|留学体験談

こんにちは。私たちは、2023年の春に、島根県大田市大森町へ2週間の保育園留学をしました。仕事の都合で私は休日のみ参加、平日は母(息子にとっての祖母)と2歳の息子の2人で滞在しました。
私も母も東京都で生まれ育ったので、息子も東京都以外に田舎というものがありません。そんな時、テレビの放送で保育園留学のことを知り、「息子を絶対に行かせたい!」とすぐに参加を決めました。大森町に石見銀山があることは知っていましたが、訪れるのは初めてです。息子にとっても、私たちにとってもきっと新しい刺激があるはずと期待に胸を膨らませながら参加しました。結果、大人にとっても、子どもにとっても期待を超える体験となりました。
大森町での体験を通して感じた、子どもの成長

お世話になった大森さくら保育園の先生方からは、留学前の面談の時から嬉しいサプライズがありました!2歳の息子は自分でトイレをすることに興味を持ち始めている時期でしたので、先生方からトイレトレーニングにチャレンジしましょうとお声がけいただいて。実際、保育園留学中に息子も一生懸命トライして、自分でズボンを脱いだり履いたりできるようになり、とても成長を感じられました。
保育園での生活は、水筒を持って歩いて、おやつを食べながら休憩したりと、毎日が遠足のようでした。年長のお兄ちゃんから息子よりも小さい子たちまで一緒に、地域の方の土地で筍掘りもさせていただいたのですが、なんと母もお誘いいただき参加することに。息子は棒で突いたりして頑張って掘っていました。だけど、先生の話では1番声をあげて楽しんでいたのは母だったようです(笑)母にとっても、生まれて初めての筍掘りを経験させていただきました。


息子の様子はアプリを通して先生から毎日写真と文章でお送りいただき、とても有り難かったです。まるでお手紙のように書いていただいて、平日は仕事で参加できなかった私でも「今日は息子はこんなことしてるんだ」と手に取るように想像でき、何回も何回も読み返していました。
学年問わずに同じスペースにいることも多いようで、息子より小さい子が泣いていたらよしよししてあげたり、お散歩の時にはお姉ちゃんと手を繋いで歩いたり、何かしてもらったらちゃんとありがとうと伝えていたと書いてあって。年齢が違う子と過ごすのはいいなと思いました。
ある時には、事前に先生に息子の好きなNHKの体操をお伝えしていたので、その体操の音楽を保育園で流してくれて。音楽が流れた途端、息子が立ち上がって踊り始めてお友だちもみんなで盛り上がったということも聞きました。


食育にも力を入れているとのこと。ある日のおやつは、子どもが自分たちでよもぎを摘んできて、よもぎ団子を作って、年長さんたちがお団子やさんになって配ってくれ、みんなで食べたそうです。保育園の敷地内にある武家屋敷には釜があり、釜で炊いた米でお餅を作ったり、おにぎりを作って食べたことも。自分たちで作ったからか、釜で炊いたご飯が美味しいからなのか、大きなおにぎりをおかわり!キャンプもほとんどしたことがなかったので、竈門の炭に火がつき、煙が上がる様子を見て「うわぁ」と喜んでいたようです。
東京では怖がっていた虫も触れるようになったりと、大森さくら保育園ではたくさん初めての経験をさせていただきました。イヤイヤ期の息子は服のお着替えも一苦労なのですが、保育園からお借りした体操服だけは喜んで着るくらい楽しかったみたいです。最後の日には、「バイバイやだ」と言って帰るのを嫌がっていたことが印象的でした。
江戸時代から続く伝統的な住宅に滞在する

宿泊施設は、江戸末期に建てられた家を改修した「山田家」です。シャンプーなどのアメニティや調理器具も一通り揃えていただいて、何の不自由もありませんでした。特に、タオルはふわふわの高品質のものをご用意いただいてテンションが上がりました!大森町の「群言堂」で作られているタオルだそうです。
設備については階段が少し心配でしたが、意外と平気でした。子どもって順応するものですね。土間も私にとって新鮮で楽しむことができました。Wi-Fiも問題なく通っていて、テレワークするには問題ありません。ただ、朝晩は東京よりもぐっと冷え込みました。
心地よいまちのコミュニティに溶け込む

保育園がない時には近所を散策。いつも保育園でお散歩している道を歩き、息子が道の軒下にある置き物や、通園時に挨拶している近所のワンちゃんを紹介してくれました。すれ違う人も息子と挨拶を交わしたり、私にも「あなたがお母さんなのね〜」と気さくに話しかけてくださったり、まちの人たちと、こんなにも近い距離感で接していたんだと驚きました。
宿泊施設から保育園に行くまでに石見銀山公園を通るのですが、お土産屋さんのおじさんと息子がとても仲良しになって。息子の鼻水が出ていたらおじさんのハンカチで拭いてもらったり、「余り物だからあげるよ」と宿泊施設まで届けに来てくれたりしたんです!
中田商店の方からも、夕飯のおかずをお裾分けしていただくことがありました。子ども用の椅子やベビーゲートがなくて困っていたら、すぐにまちの人が貸してくださったり。まちの人たちの、人と関わることのハードルがとても低いことに驚きました。私にとっても、このような地域のコミュニティは初めての体験。まちの人たちが私たちのことを知ってくださっていて、気にかけてくれている。まち全体で共有されている感じが、心地よい程度にありました。


車がある時は秘湯巡りもしました。地元の人おすすめの温泉津温泉「薬師湯」では、お肌もツルツルに!観光する中で自然とその場所の歴史も調べるようになり、知れば知るほど大森町の凄さを実感しました。
大森町に滞在する前には、観光スポットや水族館などのレジャーもたくさん調べていましたが、ほとんど近所で過ごしていました。周辺を散策するだけで感じることがたくさんありましたし、宿泊施設の周りがお洒落で趣のある場所でしたから。それに、滞在するうちにまちの人たちともっとコミュニケーションを取りたいと思うようになったんです。せっかくここに滞在するのなら街並みを感じるのがおすすめです!
自然との触れ合い、人との関わり… 子どもも大人も大好きなまちになった

自宅だと息子は私にべったりなので、平日に私と離れて過ごすことは心配でしたが、息子もこのまちや保育園が大好きになったようで全く大丈夫でした!初日から息子がとても楽しそうだったので、母も安心してまちに溶け込めたと思います。二人の様子に私もとても嬉しくて、「私も早く行きたい!」と思いながら毎日先生からのお便りを見ていました。
東京都は便利で文化的な刺激もたくさんあります。だけど大森町には、自然との触れ合いや、まちの人との関わりなど、この場所でしか得られることのできない良さがありました。保育園留学に参加した今では、ニュースや記事などで島根県のことが流れるとすぐに反応するほど、大森町を身近に感じています。これからも息子の成長を見てもらいたいので、プライベートの旅行でもまた訪れたいです!