おとなの保育園留学 体験談

 
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プロフィール:藤原寛子さん 美濃に留学 ・都内在住 ・子育てを終えて、自分が貢献できること・子どもと関わりたいと参加 ・数年前に保育士資格を取得し、都内の園で働く

全体を通して

美濃保育園さんへの訪問は、私にとってもう想像以上の体験でした!保育園留学を積極的に行っている園だからというのはありますが、外からのものを何も拒まず受け入れてくれる雰囲気があり、懐の広さや温かさ想像をはるかに超えていました。お寺をルーツに持つ園だからかもしれませんが、小さな頃から他者への思いやりが自然と育まれていることを実感しましたね。
東京で働いていた園とは対比がとても面白く、私自身も「あ、ここはそういう対応なんだ!」と新鮮な驚きがありました。美濃保育園さんでの経験は、私にとって本当に貴重な学びでした。保育園留学のリピーターが多いのも納得の、素晴らしい環境。心から感謝していますし、また必ず行きたいと思っています。
最終日には、5歳児の子からカードをもらって、本当に感動しました。「今日が最終日だよね」と声をかけてくれて、わざわざ「来てくれてありがとう」と言ってくれたんです。心温まる出来事がたくさんありました。

1日の過ごし方

入る時は、毎日のスケジュールを組んでいただいていました。朝、登園して職員室で挨拶した後、直接担当クラスへ向かい、「今日は〇〇クラスに参加します。よろしくお願いします」と入っていくイメージです。
「来てくれてありがとう」や「どうして来たの?」といった歓迎の言葉を受け、とにかく子供たちと遊ぶことがメインの動き方となりました。園の流れに沿って動き、「給食はどうしますか?」などと都度状況を見て聞きながら動きつつ、基本的には、子供たちと共に時間を過ごしていいました。
参加するクラスによって日々の活動が異なり、体験も様々でした。私は幸運にも美濃保育園で全学年のクラス、さらに子育て支援や一時保育などの事業も体験できました。これは園側の配慮で、来たからには様々な体験をしてほしいという考えからで、とてもありがたかったです。
 

こどもたちと一緒に楽しむ遊び方

私が滞在した時期はちょうど発表会前で、その練習をサポートしたり、園庭に行って一緒に遊ぶなど、さまざまな体験を行いました。園庭ではいろんなクラス/年齢の子どもたちがいます。砂遊びや追いかけっこを始めたら、私も参加するなどしていました。
夕方になると徐々に他のクラスとの合同になっていくので、室内でみんなで遊ぶことが多かったです。遊びといっても子どもたち主導で、彼らが夢中になっている遊びに私も加わる感じ。ブロックで遊んだり、おままごとに参加したり。子どもたちがやりたいことに私が寄り添い、一緒にその時間を楽しむ形でした。保育園留学で訪れてた子と一緒に遊べたことも思い出深いです。
 

子供たちから教わる、園の自主性を尊重する保育

そのなかで、私は疑問に思うことを「これはなあに?」ってすぐ聞いてしまうのですが、こどもたちが全部教えてくれるんですよ。美濃保育園さんは、林業の町として地元木材を使って「木育」を取り入れてらっしゃるんですよね。それの説明を子どもたちからしてもらえるんです。お箸やスプーンを木で作ってるって教えてもらったり。本当に子どもたちが結構しっかりしていました。
そもそも美濃保育園が、「子どもはなんでもできる!」って思うぐらい、子どもたちを信頼してるんですよ。私がこれまで見てきたような園と比べると、ここでは子供たちが自分たちでいろんなことをやってるんです。
例えば、東京だと大人がやるような仕事でも、私が、「これ、片付けますね」と言っても、「子供たちがやるから大丈夫」と言われます。3歳児さんたちが、自分たちでお絵かきしたテーブルをひっくり返して足をたたみ、食後には自分たちで雑巾を絞って床掃除をするんです。
子供たちにはお当番があって、時間がかかったとしても、ここでは「時間をかけていいから、本人にやらせてみて」という姿勢がありました。先生たちは子どもたちの能力を信じ、忍耐強く待っています。そうやって自分たちでできることを増やしていくわけです。

地域ならではの自然のなかの保育

お散歩の時のエピソードです。水が流れる細い溝のところで、子供たちが水に触れて何かしてるんです。先生が「見つけた?見つけた?」と言って聞いてるんですよ。「なにをしているんだろう?」って思って聞いたら、「湧水の水脈を探してるんだよ」と言うんです。もうびっくりしました。そういう自然を日常的に取り入れる保育があるんだなと。
そして、次の日の発表でトンビの鳴き声を表現するクラスがあって。ちょうどその日トンビが飛んでるのを見たんです。そこですかさず先生が「見て、トンビさんが明日の応援してくれてるよ!」とクラスに言っていて。本当にいい瞬間でした。都会とは違う、自然いっぱいの体験がここにはあるんですね。
先生方が発表会に向けて、何かしらの仕組みや仕掛けを作ってるのはもちろんあると思います。でも、それに無理がなくて、やり方もおおらかなんですよね。もしかしたら東京だとクレームが来ちゃうかもしれないようなことも、ここでは全く問題にならない。先生たちも、子供たちも、思ったことをはっきりと言います。そのエネルギーが循環してる感じがして、2週間いて本当に心地よかったです。

実際に体験してみて学ぶ美濃保育園のスタイル

本当に毎日が学びでした。私は、東京の保育しか知らなかったので、ここでの経験は目から鱗でした。自然を全面的に取り入れたり、地域や敷地全体を活用した保育をしている園は新鮮でした。発表会では、小道具や衣装もなしに、身一つで表現するんです。それは、とても難しい題材ですよね。例えば、機織りなんて、2歳や3歳の子には難しいテーマです。
それで、発表会のはるか前から、機織りをクラスに持ってきて実際にやらせてみるんです。その過程で、子どもたちは、糸がどうやって布に変わるかを学びます。また、「裸の王様」を演じるなら、王様の椅子を作ってみんなで座ってみたり、ごんぎつねなら、洞穴を作ってキツネの気持ちになってみる。そういった活動は、他の園ではなかなか見られないことです。

先生とのコミュニケーション

私自身も保育現場経験があるのでとても共感するところなのですが、先生方は毎日をお忙しく過ごされています。特に発表会前は先生方が忙しく、その熱心さが伝わってきました。ただ、その中でも本当にありがたいことにさまざまなことを教えてくださいました。
基本的には先生方は親切で、保育士さんたちはお話好きな方が多い印象です。年齢が近いからか、先生方は気さくで、地元のおすすめスポットなども教えてくれました。皆さんとても親切で、帰りの交通手段についてもアドバイスをくれました。
実際、他の先生方から「なぜこんなところにきてくれたの?」と聞かれることが多々ありました。それに対して、初日からもう毎日が感動と新しい発見の連続だったので、美濃保育園の魅力を話すと、「え、そんなところが!?」と多くの先生が興味を持ってくれました。外から見ると何もないように思えるかもしれませんが、ほんとうに豊かな経験がここにはある、と声を大にしてお伝えしました。笑
たとえば、普通では考えられないような美濃ならではの「和紙」を保育材料として使っていることなど。本当に初日から感動しました。教室に入った瞬間、わあ、と思うほどごんぎつねの世界が広がっていて、それが和紙でできていたんです。和紙を保育材料として使うなんて、普通考えられませんよね。
和紙なんて、こちらではいくらでも当たり前にあるんですよ、という感じでした。東京では、和紙は特別なものとして扱われ、高価なものです。しかし、こちらでは和紙は日常的に使われているので、それを贅沢に使うなんて考えられない、という感じでした。そう説明すると、園長先生を含め、みんなきょとんとされていて。

うだつの上がる街並みでの暮らしと心地よいコミュニティ

本当に、今回はWASITA美濃(滞在施設および、コワーキングスペースとして地域のハブになっているコミュニティスペース)の橋元さんのおかげで、いろいろ助けられました。またそこで新しい知り合いができて、様々な繋がりが生まれました。本当に、橋本さんをはじめ、みんな親切で。美濃の伝統的な「うだつの上がる街並み」を歩いていると、保育園関係の人がどこへ行ってもいて、美濃保育園に何か2週間だけ来てるんですと言ったらそこでも色々な出会いがありました。隣に座った人は、保育園留学を体験したと話していて、そういった偶然がたくさんありました。
街全体が温かく、ちょうどいいサイズだったかもしれません。地図なしでもだいたいの場所が把握できますから。2週間の間に、どこに何があるかしっかりとわかるので。
勤務が終わりは、基本的にゆったりと過ごしていました。開いているお店があれば覗いたり、私は散歩が好きなのでよく歩いたりしていました。行く前はもっと遠くへ行こうと思っていたんですが、実際には自分の体力や時間のキャパシティを考えると、うだつの町並みや道の駅周辺、長良川近くで充分でした。結局は近場で満足しましたね。